角換わり腰掛け銀 実践譜 VS D
先週に指した将棋の自戦記でも書いてみようと思います。
なかなか面白い戦いになって満足しました。
先手:わたし
後手: D
▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲7八金△8五歩
▲7七角△3四歩▲8八銀△7七角成▲同銀△4二銀
▲3八銀△7二銀▲2五歩△3三銀▲4六歩(下図)
正調角換わり。
ちなみに相手が “D” だと明記してあるんですけど、これ対局中は誰が相手かわからなかったんですよね。
天パの粋な計らい(?)のせいです。おのれ。
▲2五歩を決めるのが最近の流行(だったハズ…)。
▲3八銀~▲4六歩は腰掛け銀を目指した動きでもあり…
上図以下
△6四歩▲4七銀△6三銀▲6八玉△4二玉▲3六歩
△7四歩▲3七桂△7三桂▲4八金△6二金▲2九飛
△8一飛(下図)
▲4七銀のところでは▲6八玉~▲3六歩~▲3七桂として、次に▲4五桂を狙う指し方もあります。
竜王戦でも見られた指し方で、これは一気に終盤になる変化もあり余程の研究がないと指しこなせないと思います。(去年の10月期にこれに挑んで返り討ちにあいました*1
△8一飛までで先後完全な同型。
ここからの進行は非常に難しいです。
▲6六歩(あるいは△4四歩)は△6五歩(▲4五歩)の仕掛けを誘発します。ということは駒組みの進展性が現状“ほぼ”望めない。
▲7九玉(△3一玉)も確実なプラスとは言い難い。最悪また同じところに戻ってくる場合もあります。
上図以下
▲1六歩△9四歩▲9六歩△1四歩▲4五歩△5四歩
▲4六角△5二玉▲7九玉△6一玉▲6六歩△7二玉
▲8八玉△4一飛(下図)
端歩の突き合いは手待ちの意味もあったんですが、結局はノータイムの応酬(苦笑)
というわけで、打開を迫られたので▲4五歩と位を取ることに。狙いは▲4六角と置いてからの3筋交換です。3筋交換…
結局やらなかったんですけどね! いつでもできそう、と放置したせいです。
先手は矢倉に入城、後手は右玉の構えに。
こういった展開になれば駒組みに進展性も出てきます。(右玉は基本待機戦術なので先手が金矢倉、銀矢倉あるいは穴熊に組み替えることが多々あるため)
△4一飛に代えて△4四歩も有力。銀が動けば2一の桂が使えるようになります。
このあたりは各人のセンスも問われそうな感じ。
上図以下
▲5六歩△4四歩▲同歩△同銀▲2四歩△同歩
▲同角△2三歩▲4二歩△8一飛▲4六角△5五歩
▲4一歩成△同飛▲4五歩△3三銀▲5五角△5四歩
▲4六角△4四歩▲同歩△同銀▲2四歩△同歩
▲同角△2三歩▲4二歩△5一飛(下図)
▲5六歩は角を逃げられるようにした… というよりは前例(王位戦第六局)を踏襲した指し手ですね。
4筋の交換には大人しく▲4五歩でよかったのですが、局面を動かしたく(待つ手が難しかった)▲2四歩から動いたのですが▲4二歩は指しすぎでしょう。
本譜は△5五歩だったので成り捨てから▲4五歩がいい切り返しにもなった感じですが、単純に△3三桂跳ねくらいでわからなかったです。
▲5五角では▲5五歩と取るほうがいいです。対局中は「何か」が嫌だったので▲5五角だったのですが一体それがなんだったのか…
再びの▲4二歩までの進行は「もう千日手でもいいかなー」という心境だったのですっ飛ばして指してました。ただ、▲4五歩以下の変化は読んでみるべきでした。
上図以下
▲4六角△4五歩▲6八角△3三桂▲1五歩△5五歩
▲1四歩△6五歩▲1三歩成△5六歩▲5八歩△5五銀
▲2三と△6六歩▲4一歩成△8一飛▲3二と△8六歩
▲同銀△6五桂(下図)
△4五歩で角をどかして△3三桂。自然な活用に見えますが1筋が薄くなったので端攻めがあります。△5五歩の方が速そうに見えた(現に対局中は少し遅いかな、と感じていた)のですが読ませてみると、なんと先手有利なんだと。へぇー。
△5六歩までほぼ一直線。ここで▲5八歩が悪手 by魔女。
代えて▲2三とで有利を維持できていたそうです。△5七角と打ち込まれるのが気になっての▲5八歩だったのですが、▲5八金と寄っておけばなんでもなかったようです。
▲4一歩成に手順に△8一飛と回って△8六歩でしたが、△1九香成~△6四香もありました。というかそれやられてたら投了級ですね…
さて。
上図の局面。あなたならどう見ますか。
わたしは、この局面は先手敗けかなと思っていました。
ただ、最後までわからないのが将棋の、『人と人』の対局のおもしろいところなんですよね!
さぁ、華麗なる逆転劇を始めよう。
上図以下
▲2二飛成△6七歩成▲同金△6六歩▲7七金△同桂成
▲同角△6七歩成▲5五角△7九角▲9八玉△8六飛(下図)
▲2二飛成は勝負に行った手。これで負けるならしょうがないと思って指しました。
△6七歩成からは予想通りの進行。▲7七金は勝負手です。△同桂成に▲同角の形を作りたかったんです。
そして二度目の△6七歩成。内心ガッツポーズしてましたよ、えぇ!
▲5五角と飛び出せるのです。最初の△6七歩成のときに見つけることができたのが幸いでした。
…と、ひゃっほいしながらこの文章書いているんですけど、実はまだ▲5五角の局面は後手が良いらしいのですよ。
はい、じゃあ▲5五角の局面での正着はなんでしょーう?
正解は…
△8六飛でした!
▲同歩は△8七銀から詰みます。放っておいても△7九角から詰みます。
こちらが先に詰ませればいいのですが、生憎と駒が足りません。
いやぁ、Dは手順前後だったわけですね。惜しい!
つまり本譜の△8六飛に▲同歩と取れば、こちらに詰みがなくわたしの勝ち……
二個上図以下
▲7三銀△同金▲3三と△6二歩▲6五桂△9七銀
▲同桂△8九銀▲同玉△8七飛成▲8八銀△7八と までDの勝ち
……まぁ、そうは問屋が卸さないワケでして。
終盤力(笑)。
時間みたら二分弱残ってたんでよく考えなさいおバカ! ってセルフツッコミですよ。
久しぶり、大体半年ぶりの対局は彼に軍配が上がったわけですが、
いやぁ! 楽しかったなぁ!
というか久しぶりに負けた。直近の覚えてる範囲の対局は勝ち越してたんでかなり悔しいですね!
うん、次。次は負けないぞ!
……次あるかはわからないけど。
ちなみに、この後天パとも指したのですがまたもや終盤力(笑)を見せつけて負けました。五手詰が見えないなんて…!
気になったら10切れの一番上の棋譜見てみてください。
まぁ、見なくても近々その棋譜の感想とかまたアップする予定ですが…